ハイヌミカゼHome国頭村

ハンギナグスク&小玉森御嶽

 
 奥間川と比地川に挟まれた場所にあるのが、比地集落であり、その後方東側に位置する小玉森御嶽北方の小山がハンギナグスクとなる。當眞嗣一の文献に小玉森御嶽とともに紹介されている。「角川日本地名大辞典沖縄」のグスク分布図では比地川上に印があるが、この分布図の地図は20年程前のものであり、現在の地図と比べると川の位置が若干違うのであろう。
 なお、当ページを最初に作ったときはハンギナグスクと小玉森御嶽は同じ場所を示すものと考えていたが、上記當眞嗣一の文献を見る限り、隣接はすれども別の拝所になるし、地形図を見ても別の山であることがはっきりしているので、別ものとして扱います。恐らく下記写真は全て小玉森御嶽のものとなると思う(記憶が遠いので、ひょっとしたらハンギナグスクのも混ざっているかもしれないが)。とは言っても、隣接して関係が深いものがありそうなので、いずれ再訪したときに写真を撮って当ページにて紹介できたらと思います。
 なお、小玉森御嶽は集落発祥の地であり、殿やアシャギといった村落祭祀の重要施設が揃った場所です。「琉球国由来記」では小玉森、神名・アマオレノ御イベとあります。観光地という点では、小玉森の植物群落として知られます。管理人より写真も説明も詳しいサイトはこちら。今帰仁村歴史文化センターのです。集落も含めてこの小玉森御嶽は民俗学的に興味深い場所なようです。 


   
58号線より少し入った所にて撮影。山の手前が小玉森御嶽となる。 公園入口。
   
比地の小玉森の植物群落と題して、ここで見られる植物の種類や、地元では「アサギ森」と呼ばれることなど書かれています。  
   
人為的に石を積んでいるようにも見えます。ここから道は二手に分かれます。 先ほどの分かれ道を左に行くとあるちょっとした広間。 
   
手入れはされてないようで一見何もないように見えます。 広間の後ろの道を通ったら建物があったことに気付きました。 
   
確かに植物は豊富に生い茂ってます。 また、殿らしきものがありました。 
   
名前は不明。 脇にあった小さな拝所。
   
中はこんな感じ。 右隣の拝所。 
   
かなり拝所は多いです。「国頭村史」を見ると、比地集落は幾つかの血縁団体が集まって出来た集落なようで、各門中の拝所があるとのことだから、このように数が多いのでしょうか。上述今帰仁村歴史文化センターのサイトでは住居跡と説明されています。ここに住居があったと想像すると、古琉球の村落を垣間見ることができます。 頂上付近の平場に到着。
   
  アサギがありました。かつてはここら辺に集落があったようです。神が天降りする場所で、ウマチーやウンジャミを行う場所のようでうす。
   
アサギ周辺も拝所が多いです。  
   
  アカギの木かな。何本も巨木がありました。
   
根元に香炉などが置かれています。御神木ということなんだろうか。そう言えば、沖縄奄美では御神木ってあまり聞かないですね。山林自体が聖域だったりはしたり、ビロウの木には霊力が宿るとは言うけど。 朱塗りの拝所。山口神社と言うらしい。今帰仁村歴史文化センターのサイトから引用すると、「比地の泉川屋門中(山城姓)(アマミンチュウ系統、さらに山口神社をもつ)」という記述がある。何故山口というかは不明。かつて知念村に山口村があったことと関係あるのだろうか?「沖縄の拝所300」によると、辺戸のアマンチュの次男が比地村を作ったとのこと。
   
  神社近くの道。降りていったら何故か道が途切れてました。
   
  南側の入口。