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イチグスク

 
 イチグスクは、前兼久集落の漁港側にあるグスクになります。
 「恩納村誌」「沖縄国頭の村落(下)」によると、運動場の西側の崖にある古墓が多い場所を言うようだが、恩納村博物館で聞いた話では、運動場の南西側、漁港の前にある小さな崖のようである。厳密に考えると、別の場所を指しているような気がするが、拝所らしさという点では漁港前の崖の方には香炉などが設置されている。両方を含めた広い範囲を言うのかもしれないし、港湾整備前は繋がっていたのかもしれない。
 なお、沖縄県公開用地図情報システムではどういうわけか南恩納を指し示しているが、間違いである。また、「日本地名大辞典沖縄県」所収のグスク分布図ではナーグスクという名で紹介されているが、筆者が同じ「恩納村誌」ではイチグスクという名で紹介しているので、表記ミスであろう。
 グスクの機能としては元々は墓だったと思われるが、「恩納村誌」によると、明治終わり頃にサッパイが発生し、村人10人ぐらいが神がかりをし、その結果拝むようになったという。
 イチグスクという名の由来は分からないが、池グスク・伊計グスク・ヒチグスクという名のグスクが沖縄にはたくさんあるので、同系統であろうか。


   
一応これがイチグスクとして紹介します。文献などを見ると、この後方にある崖に見えなくもないが。 ムーンビーチホテルが見えます。
   
北側から撮影。開発によりこれだけ取り残された感じ。開発前の姿を見てみたいもんです。 一応崖になっているので、文献の説明と矛盾するわけではない。 
   
こういう崖下に人骨があったりするのだろうか。  
   
  上ったところに拝所がある。
   
ハシゴは脆そうなので気をつけましょう。 香炉があります。 
   
平坦部はごく僅か。 海側を向いています。